「催眠療法」ⅩⅣ

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 人は太古の昔から祈るという心を持っています。祈りを通して生き抜いてきています。神や自然に豊穣や健康、幸せを祈って生活してきました。豊かで幸せなときは、より豊かさを願い、耐えているときは、心の中の苦しみを訴えるように祈って乗り越えてきています。このような祈りは、背後に信じる気持なくしては成立しないことについては、分かると思います。古来から、人々は何かを信じ、それに枚いを求め、祈ることで、環境をより向上させたり、苦しみに耐え抜く力を得て、救われるという奇跡を多かれ少なかれ体験してきていると思います。このように人が信じ祈るとき、人の無意識は、意識するしないにかかわらず、しっかりとその人を支えてきたと考えています。
 人は、神であれ、仏であれ、何かを信じる心があれば、それに祈ることでいかに心が楽になるかということを経験から知っています。
 潜在意識(無意識)に願望を送り込めば、どんな願いも叶うということを本で読んだとき、そういうことはあり得ないと否定的な人は、日常生活の中で常にマイナス思考をしている傾向があります。マイナス思考で生きていれば、たまに白分の願いが叶ったときでも、それを単なる偶然としてしか処理できませんので、その幸運をさらに活かすことができないのです。プラス思考の人は、その幸運をさらに発展させ、より多くの幸運へと繋いでいけるのです。そのような人は心にプラスのエネルギーが充満しています。
 人は、心にマイナスのエネルギーとプラスのエネルギーを同時に持つことはできません。心が弾んでいるとき、喜びや満足に満たされているときに、同時に人を恨んだり、悲しみに心を塞ぐことはできないでしょう。心の中で、喜びと悲しみを同時に共有することはできないのです。光と闇の世界を同時に心の中に保つことは決してできません。だから、心をプラスの感情に保っていれば、どんどんとプラスのエネルギーが引き寄せられてくるものなのです。マイナスの感情など近寄る隙問を与えません。したがって、人は心をプラスの状態にしてさえいれば、より満たされた状態になっていくのです。苦しみなどその人の人生に存在しなくなっていきます。自分の意志で、こうありたい、こうなりたいと思うことが実現できるようになっていきます。プラス思考とはそのようなもので、意識して闇を光の世界に変えていくことで、その人の人生が大きく開けるのです。
 しかしながら、世の中は自分の思い通りにならないことや、嫌なこと、辛いことで充満しています。人間関係を含めたそういう環境の中で、いかにプラス思考を維持するかが問題になります。どうしてもうまくプラス思考を維持できない事態に至った場合、自分の中のトラウマに目を向ける必要があります。トラウマがかかわっていると、そう簡単に白分で感情をコントロールできないからです。トラウマを解消するには専門家に相談するのが手っ取り早い方法です。金がかかっても、一人でもがいている時間のほうがもったいないと思って下さい。素人では、そう簡単にどのようなトラウマが、どのように心や感情にかかわっているかということを、認識することや、取り除くことはできないのです。それよりも、早くトラウマから自分を解放させて、有意義な人生を送ることです。時間というものを大切にし、価値ある人生の課題や使命に混乱することなく取り組むことです。トラウマの影響で、心がマイナス思考になっていると、どうしても気持ちが消極的になり、行動に勢いがなくなってきます。できることも、できなくなってくるものです。決して、マイナス思考により、心を消極的、否定的にしてはいけません。自分の心は自分で舵を取っていかなければいけないのです。自分に全ての貴任があることを白覚してください。
 私の所に催眠療法を受けに来られる方の中で、今までに自律訓練法を含む自己催眠を学び、願望実現や長年悩んできた症状からの自己解放に悪戦苦闘したが、何の役にも立たなかったと訴えられる方も多くおられます。その方々の無意識の中に、強いトラウマが存在していて、それによって影響を受けている場合は、無意識の中でうごめいているトラウマを取り除かない限り、自己催眠の暗示だけでは、なんでも願いが叶うこと、症状を消し去ることはできません。もし効果を出せたとしたら、無意識の中に影響力を与える強いトラウマが、存在しなかったといえます。

◆目 次◆

まえがき

第1章 催眠療法について
催眠療法とは
催眠療法のあり方について
心を治すとは
トラウマ(心の傷)とは
治療者側に努力と向上
退行催眠療法とは
どのようにして症状が消えるか

第2章 症状の実際と治療理念
寂しくて一人でいられない
親の愛情を受けていない
親を殺したくなる
子供時代の環境(不安神経症)
共依存症
パニック障害
強迫性障害(強迫神経症)
症状が進行する背景
■強迫神経症の場合
■おならで悩んでいる場合
人と交流ができない
自分に自信が持てない
赤面
身体醜形(恐怖)障害
劣等感
対人緊張・あがり
対人恐怖・視線恐怖
多汗症
幼児虐待
■親からの虐待
■世代間伝達
性的不能
性的虐待
前世療法について

付 録 
自己催眠と他者催眠
自己催眠を学び活用することの価値
他者催眠術に対する誤解
他者催眠術の習得

あとがき